薬剤師のプログラミング学習日記

プログラミングやコンピュータに関する記事を書いていきます

線形回帰でデータに直線を当てはめる

これまでに何度か片対数プロットした血中濃度データから直線のパラメータを求めるということをしましたが、これは線形回帰の中でも説明変数が一つの単回帰に当たります。 今まではnumpyやscipyといったライブラリから既成のモジュールを呼び出してデータを与…

腎機能評価ツールを作ろう

前回記事「eGFRとクレアチニンクリアランスの計算式をグラフ描画する」の続きです。 ウィジェット(スライダーなどの部品)を配置する ウィジェットの値変更時の処理を書く グラフにテキストを表示する 体重一点における体表面積、CCr、個別eGFRを求める 実…

eGFRとクレアチニンクリアランスの計算式をグラフ描画する

腎機能評価の指標としてeGFR(推算糸球体濾過量)やCCr(クレアチニンクリアランス)、シスタチンC(Cys-C)などがありますが、病院等で働く薬剤師であれば、仕事中に薬の投与量のチェックをするためにこれらの値を計算することも多いかと思います。 ネットで…

薬の蓄積率について-投与間隔と半減期からわかること-

ネットで蓄積率を検索すると『投与間隔/消失半減期が3以下なら定常状態のある薬、4以上なら定常状態のない薬』などの記事が見つかります。今回はこの3や4という数字の意味について見ていきたいと思います。 蓄積率とは 蓄積率の式をグラフでみる 具体的な例…

ニュートン法で方程式の近似解を求める

前回「トラフ値からkeを推定する」で定常状態のCss_minを求める式からkeを求めました。このときscipy.optimizeモジュールのnewton()を使いましたが、これはニュートン法(ニュートン・ラフソン法)というアルゴリズムを実装した関数です(引数に導関数を与え…

トラフ値からkeを推定する

今回の記事は参考文献『4ステップ 臨床力UPエクササイズ4 TDM領域』の『Step3 薬物治療の個別化(薬物投与設計)の実践』の項目を基に書いています。 この項目の概要としては、喘息症状が悪化した患者のスクリーニングを通して薬物クリアランスの変動を考…

経口繰り返し投与のグラフを描く

n回繰り返し投与後の血中濃度 経口投与の定常状態における最高・最低血中濃度とAUC Sympyによる微分と定積分 経口繰り返し投与のクラス 血中濃度推移の描画 参考 n回繰り返し投与後の血中濃度 投与間隔(タウ)でn回繰り返し投与後のt時間経過時の血中濃…

経口投与のフリップ・フロップをグラフで見る

Flip-Flop(フリップ・フロップ) 各条件で用いる数式 ke<kaの場合 ke>kaの場合 ke=kaの場合 TmaxとCmax グラフと文字の更新処理 フリップフロップを確認する 参考 Flip-Flop(フリップ・フロップ) 前回記事の最後に、消失相の傾きはkaとkeの大小関係によってどちらが反映さ</kaの場合>…

血中濃度データに経口投与モデルを当てはめる

以前1-コンパートメントと2-コンパートメントの静注モデルでもやりましたが、今回は前回記事の1次速度の吸収過程のある1-コンパートメントモデルでやってみようと思います。 血中濃度データの片対数プロット プロットから消失速度定数(ke)と吸収速度定数(ka…

経口投与1-コンパートメントモデルのグラフを描く

1次速度の吸収過程のある1-コンパートメントモデル 吸収過程と消失過程 参考 1次速度の吸収過程のある1-コンパートメントモデル 経口投与時の血中濃度推移はこのモデルで表すことができます。※ka: 吸収速度定数, ke: 消失速度定数 この連立微分方程式を解…